A.
利息制限法という法律に、利率の上限が定められています。
具体的には、
元本の額が10万円未満の場合 年20%
10万円以上100万円未満の場合 年18%
100万円以上の場合 年15%
となっています(利限法1条)。
この制限利率を超える利率で契約をした場合、制限利率を超える部分は無効となります。
例えば、100万円を年29%の利率で借りた場合、利息制限法上の制限利率年15%を超えているため、無効となり、年15%の利息を支払えばよくなります。
では、利息制限法上の利率を超える、支払う必要のない利息を支払ってしまった場合どうなるのかというと、まず、元本に充当されます。
例えば、利息として1万円支払えばよいのに、1万5000円を支払ってしまった場合、支払う必要のなかった5000円分については、元本に充当されることになります。
このように、取引の当初から支払った金額を利息制限法上の利率による利息と元本に振り分けて計算しなおすことを、利息制限法による「引直し計算」といいます。
引直し計算の結果、元本及び利息制限法上の利率による利息の全額の返済が終わっていたにもかかわらず、それを知らないまま支払いを続けていた場合、払い過ぎた分を「過払い金」として取り戻すことができます(不当利得返還請求)。
以前、貸金業法という法律に「みなし弁済」という規定があり、業者はこの規定を盾にして過払い金の返還に応じませんでした。しかし、平成18年に貸金業法が改正され、「みなし弁済」規定は削除されました。