ご相談を頂いたときに、請求の相手方の住所がわからない、ということが少なくありません。
当然ですが、相手方の住所がわからなければ請求はできませんし、裁判を起こすこともできません。
そのため、弁護士や司法書士が受任した場合、必要に応じて相手方の住民票や戸籍を取得し、請求先を特定することになります。
相手方の過去の住所がわかれば、そこから住民票等をたどって現住所を調べることが可能です。
また、住民票等をたどっても、住民票を移しておらず、現住所がわからないということもあります。
その場合には、裁判所に住民票上の住所に請求の相手方が住んでいないことを明らかにして、訴訟を起こすことができます。この場合、「公示送達」という方法で相手方に訴訟が起こされたことを公示します。具体的には裁判所の掲示板に掲示をすることになります。
以上のように、請求の相手方の現住所がわからず、もうすぐ消滅時効が完成してしまうというような場合には、住民票上の住所を相手方の住所として訴訟を起こすことが可能です。
判決を取れば時効期間が原則10年となるため、請求権が消滅してしまうのを防ぐことができます。
なお、住民票や戸籍の取得のみを目的とする依頼を受任することは、法律上固く禁止されており、司法書士はそのような依頼を受任することはできません。
また、取得した住民票等は厳重に保管をし、第三者へ見せることはありません。